もういいです

もういいです

インドで大体6年暮らしていた。

デリー空港で飛行機から降りた時の埃っぽい匂い。

空港からアパートまでのタクシー社内の匂い。

車窓からみえる大気汚染で白っぽく霞んだ中に蠢いているインドの人々。

全てにおいてやるかやらないかしかないというシンプルさから来る不安と期待。

今日乗ったタクシーがちょっとインドっぽい埃っぽい匂いで胸がキュッとなった。

懐かしいなあ。。。 辛い事や面倒な事も多かったはずなんだけど。

とはいえあの頃の俺はあそこに居てそれで、だからこそ今ここに居て。 結局今出来る事をやるしかなくて。それは変わってなくて。

でもあそこにいて生きていた事。それは幻でも虚構でもなくて。

ああ。切ないね。

おれとおれのジャズベース

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ジャズベースを使っている。
1965年製。フェンダー社が売却された直後ぐらいのもの。
ビートルズのラバーソウルが新譜で、ストーンズのサティスファクションが新曲。
そういう時代。
ジャズはといえばコルトレーンが至上の愛をリリースしたぐらいで
もはや素人にはついて行けなくなりかかるぐらいの時代。
そういう時代のもの。

なんか歴史の教科書と自分の暮らしがダイレクトに繋がっているみたいな不思議な感じ。

そしておれが持っているベースはほとんどの部分に修理または改造の跡があり、
骨董品としては価値は低いものなので同世代の美品の相場の半額以下だった。
「20年前なら30万しないで買えましたよ」と楽器屋は言っていたが。

でもまあ、いい音。試奏して4弦開放をボーンと鳴らした瞬間にやられる。
今まで弾いていたのは一体何だったのか。実はこれこそがエレキベースだったということか。
と、いうぐらい違う。
改造跡とかあんまり関係なくて、素材とか基本的な部分で違うんだと思う。

ま、弾き手の腕前はお察し。なのだけど。
買って約一年、300日以上は触っていると思う。

壊れませんように。あとおれが飽きて逃げだしませんように。